私たちの地域での…活動報告

バイエル薬品滋賀工場見学

2008年09月13日 バイエル薬品滋賀工場見学

第4回アダラートCRセミナーin滋賀工場」に参加して
旭川十条病院 板垣美津子

第1部 15:00〜16:30(バイエル薬品滋賀工場)

  1. 1. 滋賀工場の概要紹介
  2. 2. アダラートCR錠の開発思想と製剤設計
  3. 3. アダラートCR錠の臨床
  4. 4. 打錠行程(および包装工程)見学

第2部 18:00〜19:00(京都東急ホテル)

  1. 1. 講演会 「副作用を取り除き主作用を発揮する除放製剤」
    ―アダラートを例としてー
    慶応義塾大学薬学部 臨床薬学教授 松山賢治先生
  2. 2. ディスカッション&質疑応答

滋賀工場は、京都駅よりバスで1時間30分程の忍者の里で有名な滋賀県甲賀市甲賀町にあり、 空気のきれいなとても広い敷地に建っています。

工場の中は、クリーンレベルにより3つのエリアに分かれています。通常の服装で入れるエリア、白いクリーンスーツ、ヘアーネット、スリッパに着替えて入るエリア(ここから指輪、ピアス等のアクセサリー類は禁止です)さらにクリーンレベルの高い青いクリーンスーツ、フード、マスク、ロングタイプのシューズに着替え手指の洗浄、消毒、エアーシャワーを浴びてから入室するエリアとなっています。この服装はなれない私には少し息苦しかったです。

アダラートCR錠はニフェジピンを含有する有核2層錠です。製造工程の見学はとても興味深いものでした。初めに内核錠(消化器下部ですみやかに溶出)が打錠されその後が外層部(胃から小腸でゆっくり溶出)が打錠されます。1秒間に5錠という速さで錠剤が次々とできていきます。有核2層錠は溶出速度をコントロールされているので内核錠の位置がとても重要。錠剤の真ん中になくてはなりません。内核にずれが生じると体内での溶出に差が出て血中濃度推移に影響をおよぼします。そのため垂直方向のずれ、水平方向のずれを全製剤にたいしてモニタリングして規格外のもの(0・6o以上のずれのあるもの)は排除していくシステムが導入されていました。さらに何錠かを抜き打ちで選び半分にカットし人の目で直接チェックする行程もありました。規格外のものや半分にカットしたものは全部捨ててしまうそうです。「徹底した品質重視」ということでしたが捨ててしまうもののコストを考えるともったいない気がします。再利用する方法があるといいと思いました。アダラートCR錠(20mg)の直径を9oから7oに変更したのは、より服用しやすくするためで、内核2層錠を7oまで小さくするのはとても難しいことで高度の技術が必要だったそうです。

今も薬剤師から「アダラートCR錠を粉砕してもよいか」という問い合わせがあるそうです。調剤する時、服薬指導の時等どんな時にもその薬の特徴をよく理解していなくてはならないとあらためて実感しました。そのためにも今回のセミナーはとても有意義で貴重な体験でした。 工場の設備、品質への徹底したこだわり、研究者、技術者などスタッフのかたがたの情熱等など・・・想像をはるかに超えるすばらしいものばかりでした。*すごい!!!*というのが一番の感想です。参加させていただきありがとうございました。

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