学校薬剤師って知ってる?

学校保健安全法(第23条)において、大学以外の学校には学校薬剤師を置くものとされており、学校薬剤師は薬剤師から任命し委嘱されます。 また、学校においては、保健管理に関する専門的事項に関し技術及び指導に従事するものです。 学校薬剤師は学校保健安全法第5条・6条・27条により、環境衛生及び学校安全の確保を図り、児童・生徒が最善の環境で修業できるよう努めています。

学校薬剤師は学校でこのような活動を行っています

学校薬剤師の活動01.飲料水(飲み水)検査

01. 飲料水(飲み水)検査

学校では、衛生的な水を使用するために、使用水の日常点検と定期点検を行っています。 日常点検は、臭気、味などのほか、基準どおりの残留塩素が含まれているかを点検しています。 また、定期点検は、学校薬剤師により、化学検査をはじめ学校環境衛生基準に基づいて一般細菌、大腸菌などの検査を行っております。

学校薬剤師の活動02.学校のプール検査

02. 学校のプール検査

学校のプールは、今ではほとんどの学校で設置されていますが、入泳者の体の汚れ、発汗などで汚染される可能性があります。 衛生管理が適正に行われていないと、プール熱やハヤリ目などの感染がおこることがあります。 そこで学校薬剤師は、残留塩素濃度、有機物などの汚れ具合や、一般細菌・大腸菌などの検査を定期的に行っております。

学校薬剤師の活動03.教室などの照度(明るさ)検査

03. 教室などの照度(明るさ)検査

児童・生徒が快適に学習を行えるように、教室などの照度・照明状況を定期的に検査しています。 照度・照明の検査は、一定の基準にそって測定し、基準に合わない場合は改善を提案します。 また、黒板などが見づらくないよう、まぶしさについても調査しています。

学校薬剤師の活動04.教室などの空気検査

04. 教室などの空気検査

学校の建材などからでる化学物質で体の不調を訴える児童・生徒が増えています。特に北海道の冬は換気回数が減少し、教室内の空気が汚れます。 健康を守るために、定期的に教室内の温度、湿度、炭酸ガス濃度、浮遊粉じん、揮発性有機化合物などの検査を行っています。 また、アレルギーの原因でもあるダニの検査についても実施しています。

学校薬剤師の活動05.薬物乱用防止教育・タバコやアルコール教育

05. 薬物乱用防止教育・タバコやアルコール教育

覚せい剤や麻薬などの薬物乱用は、人間と社会をダメにしてしまう深刻な社会問題です。 青少年については、覚せい剤の乱用は減少傾向にあるものの、大麻及び合成麻薬のMDMA等の乱用については増加傾向にあり極めて憂慮される事態となっています。 学校薬剤師は、学校関係者・関係機関と連携して、児童生徒を、覚せい剤、麻薬、大麻、シンナーなど薬物乱用の害から守るために薬物乱用防止教育への協力を行っています。

また近年、児童生徒の中には、喫煙・飲酒が原因と思われる生活習慣病の兆候が見られるなど憂慮すべき状況があります。 児童生徒を、たばこ・アルコールの害から守り、将来にわたって健康で活力のある生活を支援するには喫煙・飲酒防止教育の推進が益々重要になっています。 学校薬剤師は学校関係者と一緒にその推進にあたっています。

06. その他

  • ・保健室及び理科室の薬品点検
  • ・学校給食の衛生管理
  • ・ダニ又はダニアレルゲンの検査
  • ・尿検査

旭川学校薬剤師会あいさつ

学校薬剤師部は次代を担う子供達のためにという大義のもと、志を同じくする者が相集いて力を合わせ学校薬剤師としての英知と勇気と情熱を持って明るい、豊かな子供達の学校生活を築くために活動をしております。

子供たちは日々の学校生活の中でこれから生きていくための多くの術を学び、そして多くの友を得ます。 子供たちにとりまして、その大事な学校を先生方と共に守っていくことが我々学校薬剤師の役割だと考えております。 また子供たちが運動会や学習発表会などで頑張る姿は見ている者に感動を与えます。 子供たちはそのような見ている者に感動を与えられるような素晴らしい能力を兼ね備えた素晴らしい存在なのです。 ですからもっともっと自分に自信を持って、もっともっと自分を大切にしてもらいたい。 そんな我々の想いも学校薬剤師活動を通して、子ども達と接する中で伝えていかなければならないと思っています。

旭川市学校薬剤師会 会長 田尾好正